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スペシャル・インタビュー<第2回>

ウィーン在住の政治家 Ms. Christine Marek

Ms. Christine Marek
ウィーンや舞踏会、文化にまつわる方々、セレブの方々からの「スペシャルインタビュー」を
お届けしております。

Ms. Christine Marek 第2弾は、オーストリア経済・家族・青少年省で国務長官を務める(当時)、Mrs. Christine Marek。
2010年4月に開催された、「ガン患者救済のためのチャリティー舞踏会Dancer Against Cancer」の主催者である、クローネマキコの友人マティアス先生の紹介で、なんと舞踏会会場という場でインタビューさせて頂きました。

インタビュー抜粋

クローネマキコ(以降KM):
本日は、ありがとうございます。
最初に、大臣はオーストリアでどのようなお仕事をされているかを教えて頂けますか?

Christine Marek女史(以降CM):
私は経済・家族・青少年省の国務長官State Secretaryです。
その中でも家族と青少年、特に労働と経済における女性問題、という分野への責任を負っております。
また現在、10月のウィーン政府選挙への候補者でもあります。

KM:
そうなのですね!それは大統領選挙と同じタイミングで行われるのですか?

CM:
いいえ、大統領選の方は3週間後、4月25日なのですよ。
ウィーン独自の選挙は10月10日に行われるので、もう少々先ではありますが、やることはたくさんあります。

KM:
なるほど。
それでは今回の、このチャリティー舞踏会について、どのように思われますか?
また、どのようにサポートされていらっしゃいますか?

CM:
このチャリティーイベントは今回で4回目ですが、私はその最初からサポートしています。
そして回を重ねるごとに、より大きく、プロフェッショナルになってきているのを見ることが驚きであります。
より特別となり、参加者も増えて - 特にVIPたちが -いるのはすばらしいことです。
かしこまった方法を通してではなくお手伝いしています、つまり私と連絡を取っている人たちと共にとか、私のネットワークを活用してとか、または私の知人たちを通してとか、私自身も個人的に様々な方法で(お手伝いが出来ます)。

KM:
exclusive(唯一の)というのはどのようなポイントでしょうか?
他の舞踏会とちがうのはどのようなことでしょうか?

CM:
第一には、チャリティーということです。
また、他の舞踏会にはない特別なことがいくつもあります。
ダンスコンテストがあり、多くの有名人が参加し、毎年有名になっている、また大きなプログラムもあります。
またこの舞踏会は、ダンスがそれほど好きというわけではない、普段はあまり舞踏会には行かないという人達にとってもよいのではないかと思うのです。舞踏会は、そのような人達にとって、座ってしゃべるには音楽が大きすぎる、など、すべての人達が好むという場ではない、でもDACはちがうのです、踊るのはそんなに好きでもないという人達にも、プログラムや、踊る場がたくさんあるのです。
もう2時半ですが、たぶん皆さん、そんなに遅いとは感じていないでしょう、それだけ色々な場所でプログラムがあるし、ガンのために手助けをしようとするお金を募るためのプログラムが企画されているからです。

KM:
ご自身がガンになったことは?

CM:
ありません、神に感謝です。
でも隣人や友人にはもちろんいます。
これは、どんなソサエティも取り組んでいかなければならないことだと思うのです、私たちが直面する大いなる痛み・困難であるからです。
しかし同時に、このようなイベントを通して、自分自身もガン検診に行かなければならないなと、気付かせてくれる機会だとも思います。
特に私は、女性のためのピンクリボン(乳がん防止)運動の大使でもあります。運動のやっていることは存じていますが、このような「楽しみ」と、やらなければならないことの結びつきは、私は大好きです。
ですから、このようなイベントは、楽しめるうえに、最終的に社会に必要なお金を集められ、人々を救える、それはとても素晴らしいことです。

KM:
日本ではチャリティーイベントはあまりポピュラーではありません。

CM:
組織が必要なお金を集めているのですか?

KM:
ある特定の人達は、がんばっていますが、イベントとしては一般的にはまだあまり。

事務局:
例えば、日本でもお金持ちの人達もいますが、機会があってもまったく寄付はしません。
中流階級や市民階級やxxなどのほうが、何とか手助けしたいと思っている、でも金持ちはそうじゃないのです。

KM:
そうなのです、多くの人たちは、関心がないのです。
ヨーロッパにおいては、チャリティーというのは普通のことなのでしょうか?

CM:
ヨーロッパよりアメリカの上流階級でしょうね、彼らはすべてを、特に政治家に寄付します(笑)。
でもオーストリアやヨーロッパでは公共資金調達という強いシステムがあります。
お金が国や、地域、自治体などから出るのですが、アメリカにはそういう制度がまったくありません。
だから彼らは自身でお金を工面しなければならない。
オーストリアではそれは必要ないのですが、それも増加しています、国は段々資金に余裕がなくなってきているので、何か解決策を見出さなければならない。
けれどもオーストリアのガンソサエティCrebs Hilfeは、今年秋で100年を迎えます、10月にシェーンブルン宮殿をピンク色のライトで照らして、外側をピンクに見えるようにしてしまうのですよ。
毎年、ピンクリボン運動はピンク色のモニュメントを作っているのですが、ピンクはこのDACのロゴのカラーでもありますよね。

KM:
日本にいらしたとか?

CM:
ええ、静岡の「技能オリンピック」で2007年に。

KM:
本当に?私はそのイベントで、通訳として働いていました。
その直前に、マティアスが日本に来ていたのですよね!なんというご縁でしょう!

CM:
オーストリアチームと一緒にいまして、決勝セレモニーにもいました。

KM:
日本の印象はいかがでした?

CM:
興味深かったですね。京都も、東京も。
興味深かったのは特に、我々とはまったく違う生き方、生活の仕方、まったく違う社会のありかた、男女の役割の違い、日本の政治家・大臣にも何人かお会いしたし、オーストリア大使にも会いましたが、日本の社会は多くの課題を抱えていると言うことです。
特に男女平等、女性の労働市場、などは国際社会に比べて閉じた社会、市場だと思うのです。
大きな課題です、革新や、創造性が必要かもしませんね。
東アジアに行ったのは初めてなのですが、very ???? cultureだと思います。
もしその社会を、日本社会を知らなくて初めて行ったのなら、してはいけないことをしてしまってももしかしたら許されるかもしれない、でも・・・日常生活は・・・本当に、違います。
とても興味深いです。
私が行った時、「モーツァルト」のミュージカルが東京で初めて上演されるという時で、大使と共にプリマに招かれて行ったのですが、もとはドイツ語で書かれたものなのにすべて日本語で上演され、歌手も、俳優・女優たちも日本人で、面白かったし、奇妙でもありました。
たった4日の滞在でしたが、すばらしい日々でした。
政治家は長い時間を取れないのですよ、特に国のお偉いさんたちと一緒だとね。
中国に行ったときなど、フライト時間も含めて、4日間でしたよ!
でもまたぜひ行きたいと思います。

KM:
去年は日墺140周年記念で、東京や、恐らくこちらでも色々なイベントが開かれましたが。(CM: もちろん知っていますよ。) 最近の日墺の関係に関しては、どのように見ていらっしゃいますか?
また次の記念年に向けて何を期待されますか?

CM:
とても良好な関係だと思います、特に、旅行分野においては。

KM:
もちろん、多くの日本人が(オーストリアを)好きですね。

CM:
特に、年配層の方々がオーストリアに来て頂きたい。なぜなら彼らは時間もお金も余裕があるからです。
ですから観光業的には大変興味深い分野なのです、彼らは金銭的にも長く滞在できるからです。

事務局:
日墺間での年配の方たちの"交換"というアイデアもいいかもしれませんよね、経済的な側面からもいいと思います。

CM:
そう思います。
経済的な機会は国際的に考えるとよりよいと思います、それは確かです。

KM:
最後に、私自身はウィーンの舞踏会文化が大好きなのですが(友人マティアスもよく知っているように)。

CM:
私もよく知っていますよ(笑)。

KM:
あなたがたもお好きですか?

CM:
大好きです。

KM:
それではどのような側面がお好きなのですか?- 例えばダンス、社交などですか?

CM:
ダンスはそれほどでもありません、なぜなら大きな舞踏会では踊るには混みすぎているからです、それよりもしゃべったり心地よく過ごしたり、仕事の人達とインフォーマルに人々と会ったりできます。
日常私は多くのビジネスミーティングがありますが、このようなイベントではよりインフォーマルで、よりフレンドリーで、いつもと大変違いますね、そしてこれは私たちの文化の一部なのです。

KM:
ええ、もちろん。

CM:
そして色々なこと - 音楽や、人々の服装や - (KM: 特に女性がですよね、CM: いいえ、男性もですよ(笑))、人々がどう見えるか、どう感じているのか、特別な雰囲気、などがありますし、またもちろんビジネスの要素もあります。

KM:
そうなのですか?

CM:
ウィーンの舞踏会では - 私はいったい年に全部で幾つあるのか知りませんが、(KM:私、数えたことがあります。) それでも全部がリストに載っているわけではないのですよ、でもとにかくたくさんある。
それはウィーンの経済的に大変な要因です、例えば(舞踏会に着る)服、飲食に費やすお金、タクシー、ホテルなどなど、経済的な要因はたくさんあり、ウィーンにとって大変重要な要素です。
それらすべて、ありがたいと思っています。

事務局:
日本の皆さんに何かメッセージを頂けませんか?

CM:
このすばらしい街にいらっしゃい、ということですね(笑)。

KM:
本日は本当にありがとうございました。

あとがき

このインタビューをさせて頂いた時すでに、夜中の2時過ぎ。
けれども舞踏会会場は、まだまだ、舞踏会を楽しむ方々であふれていました。
とてもパワフルながらエレガントなMrs. Marekは、とてもすてきな女性でした。

Ms. Christine Marek 女史がおっしゃるように、今後も日本とオーストリア間の交流が更に盛んになればと、クローネマキコも願っております。
Mrs.Marekさん、素敵なメッセージをありがとうございました。
We also hope that the relationship between Japan and Austria will become much actively.
I would like to thank Mrs. Marek for the nice message.

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